【スムーズ現代音楽】現代音楽イベントSacrum Profanumのエアチェック
Sacrum Profanumはポーランドのクラクフという都市で毎年9月に行われる、現代音楽のお祭りです。現代音楽といってもSigur RósやApex Twin等も出演するのでもっとジャンルは広いです。1週間くらい毎晩コンサートがあります。そのプログラムの1部がポーランドラジオの第2放送で中継されていたので、感想とかまとめました。
プログラムModern!NowよりSquarepusher feat. Sinfonietta CracoviaによるUfabulum。
9/15AM2:00(日本時間)On Air
このプログラムは他にもクセナキスやリゲティが演奏されましたがSquarepusherのUfabulumについて。
プログラムノートがないので詳しい情報がわからないです。アレンジは本人がしたのかな?
Squarepusherのアルバム Ufabulumの中からいくつかをSinfonietta CracoviaのアンサンブルとSquarepusherのライブエレクトロニクスで演奏しています。
多分以下の曲だと思います。
40.96a*(YouTubeではカットしてあります)
4001
Stadium Ice
Energy Wizard
Red In Blue
The Metallurgist
Dark Steering
Ecstatic Shock
過去にはAphex Twinの曲を現代音楽アンサンブルのAlarm Will Soundがアコースティックでやったりしたのがありましたが、こちらはアコースティックとエレクトロニカの融合版。放送を聴いた限りでは会場でどういう感じだったかわからなく、うまく融合されているか判断つきません。電子音にリバーブ少ないとハマるんじゃないかと思います。Wabble Bassとかのブリブリしたエレクトロニカサウンドをアコースティック楽器で再現しようとしています。
エレクトロニカと現代音楽的奏法のサウンドは相性がいいようですね。ブレイクビーツの部分はどこまで人力演奏をしているのでしょう?演奏の様子を見てみたいです。
電子音だったらかっこいいメロディもアコースティックになったとたん、ショボくなっちゃうこともありますよね。アンサンブル特有の響きがエッヂを消してしまうのでしょうかね?
プログラムClassic!Nowは、Alarm Will SoundによるAll-Reichです。
9/16AM2:00(日本時間)On Air
曲目:Clapping Music / Piano Counterpoint / Reich Rewrite / Radio Rewrite
この日の放送は生放送でした。Clapping Musicは何人でやっていたのでしょう?
4~6人でやっているように聞こえました。
Piano CounterpointはライヒのSix Pianosという6台のPianoのための曲の編曲版です。4台のピアノパートを事前録音して残りの2パートを1つにして、録音された部分を伴奏に、1人の奏者が演奏するというふうに編曲されました。編曲はVincent Corverというピアニストが行いました。Six Pianosよりこっちのほうがかっこいいです。曲は同じなのになぜかクールなのです。
John OrfeのReich Rewite
WebにはJohn OrfeとAlarm Will Soundによるライヒオマージュと書いてありました。作曲者のJohn Orfeは2011年のコンサートでJohn AdamsのShort Ride in a Fast Machineをピアノソロで眼鏡をふっ飛ばして弾き切ったPianistなので、そういう曲かなと期待していましたが、実際の曲はまぁ、ライヒオマージュということで、ライヒっぽいところはそんなになく、ライヒのことを想いながら作ったって感じですね。それがオマージュなのだから。John Orfeが普段どういう曲を書いているのか気になる所です。
Steve ReichのRadio Rewrite
スコアにはアンプの指定はないのですが、実際はどうなんでしょう?エレキベースも編成に入っていますし、最近のライヒはPAがマストなので、PA通していると思います。ライヒの曲ってPA通すのが多く、普通のコンサートホールだと音が響き過ぎちゃってバランス難しいし、シアター的な会場でやるのが丁度いいのかもしれませんね。以前ライヒのThree Talesをシアター的な会場で観ました。音は割と良かったのですが、何カ所かフェーダーによるデクレッシェンドがあって、ちょっと幻滅しました。ライヒの難しい曲を演奏家が必至に演奏している姿を見るのもいいですが、ライヒはCDで聴くのが一番いいかなと思っています。
曲は急緩急緩急の5つの楽章からなっていて、それぞれが休みなく演奏されます。これはオマージュではなくてRadioheadの曲をベースにしています。1,3,5楽章がJigsaw Falling into Placeをベースに、2,4楽章がEverything in its Right Placeをベースにしています。ガッツリRadioheadが出てくる訳でもなく、Radioheadという材料の一部分をライヒで組み上げたという感じです。全体的に以前の様なメロディをずらして重ねる手法はそれほど登場していないです。
17日のKronos Quartetのプログラムは接続できずに聴けませんでしたが、21日にプログラムModern!Nowの放送があります。現代音楽アンサンブルLondon SinfoniettaによるApex TwinやBoards of Canadaの演奏があります。
http://www.polskieradio.pl/8,Dwojka